2011.2.20
延命寺(埼玉県さいたま市)の河野ご住職にご紹介いただき、観蔵院(東京都練馬区)で開催されている悉曇教室を見学させていただきました。
講師の先生は、現代密教界における梵字の第一人者・児玉義隆氏です。
受講されている方々は、席につくと静かに道具を広げ、準備をしていかれるのですが、その道具の扱いがとても丁寧で思わず見とれてしまうほどでした。
そうして用紙に向かわれます。
とても静かに時間が流れていき、ある程度書き終えると講師の先生に添削を受けていきます。
■受講4年目という能面師の女性の方にお話を伺いました。
職業病で指の関節がうまく動かなくなり、さらに職場でのストレスなどから精神的に少々参っていた時に神奈川で開催されている梵字の展覧会にふらっと立ち寄ったところ、梵字の魅力に引きつけられました。
“筆を動かすことなら私でもできるかもしれない、書いてみたい”
と強く思い、それから梵字教室を探し始めたのです。
しかし、なかなか習える場所がなく、ようやくこの観蔵院での教室を知り、電話で生徒募集の確認をいたしましたところ、すでに定員がいっぱいとのことでした。
やはり一年くらいは習えないだろうから、その間は仕方がないので自宅で教本などを利用してやってみようか、どうしようかと半ばあきらめかけていた矢先の一週間後に
「空きができました」と小峰ご住職から電話を頂戴し、運よく参加することができました。
教室に通い始めてすぐ3ヶ月後にある展覧会に参加してみましょうとお話をいただき、
それはもう、毎日梵字にあけくれるといって過言でないほど必死で練習し、展覧会の参加作品を仕上げました。作品の出来、不出来より、その時の自分にとって作品を仕上げられたことが大きな糧となったと思います。
今では、日々の生活の中で感じることのできない心落ち着ける時間となり、私にとってこの時間が大変貴重な切り替え時間となっています。
また、つい最近三寶寺(東京都練馬区)で開催されている阿字観にも参加しました。
静かに自分と向き合う時間をもつことで日々の生活にさらにメリハリが生まれ、こちらの会もまた出会えてよかったと心から思えるものとなりました。
そう語られるお顔が本当に生き生きとしていてとても魅力的な女性でした。
忙しい日常の中にお寺で過ごす時間を取り入れる、そうして生活にメリハリをつける、
こんな切り替えも素敵ですよね。
メリハリって大切なこと、改めて痛感いたしました。
ブッダワールドでは今後も梵字悉曇についての特集記事を掲載していく予定です。
講師:児玉義隆氏 プロフィール
真言宗智山派・永福寺(埼玉県さいたま市)住職。
1949年7月6日生まれ。1973年から故・坂井栄信師について梵字悉曇を学ぶ。
現在、種智院大学教授、同大学人文学部長、智山専修学院講師、嵯峨傳燈学院講師、仁和密教学院講師。 2005年智山派教学功労章受章。2008年第46回密教学芸賞受賞。
主な著書『梵字でみる密教「その教え・意味・書き方」』(大法輪閣)、『梵字必携「書写と解読」』(朱鷺書房)、共著『印と梵字 ご利益・功徳事典 「わたしの家の宗教事典選書」』(学習研究社)他。
悉曇教室
慈雲山曼荼羅寺観蔵院
※観蔵院・悉曇教室につきましては、現在生徒数が定員に達しており、新規生徒募集は停止となっていますが、仏画教室、写仏・写経教室などその他の教室は開催されていて見学は随時可能とのこと。
お寺データ
寺院名:慈雲山曼荼羅寺観蔵院
宗派:真言宗智山派
住所:東京都練馬区南田中4-15-24
TEL 03-3996-6911・FAX 03-3996-6878
http://www.k3.dion.ne.jp/~kanzoin/
併設の曼荼羅美術館には染川英輔氏が描いた「観蔵院曼荼羅」をはじめとする様々な曼荼羅と日本の仏画やネパールの仏画のタンカ、サンスクリット語の書「悉曇」、ネパールのミティラー民俗画、ミニアチュールなどが展示されています。
今回は観蔵院の小峰彌彦ご住職に直接館内を案内していただきました。
展示室は、より多くの方々が様々な形で仏教美術に触れられるようにとホールの機能も兼ね備えられていて演奏会などのイベントも開かれています。
開館時間:毎週土曜日と日曜日 10時~16時 (入館は15時半までです)
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