【寺院名】大梅山 長福寺(ちょうふくじ)

【宗派名】臨済宗南禅寺派 別格地
【別名】梅津大寺
【住所】京都府京都市右京区梅津中村町361
【本尊】阿弥陀仏
【開山】月林大幢国師
【開基】真理尼
【由緒】長福寺は平安末の仁安4年(1169)に天台宗寺門派として創建されたと開基、尼の真理作成の縁起にある。尼寺とは言え、すでに相当の大寺であったのは開発領主梅津氏の財力によるところと推察される。鎌倉後期になって寺領紛争のため寺運が傾いたが、南北朝に入り、梅津左衛門尉清景が月林(普光大幢国師)に傾倒し、師を招いて禅刹とした。花園上皇(在位1308-18)は備中の園東庄を寄進、貞和2年(1346)同寺に臨幸され、さらに崇光上皇(在位1348-51)の御幸もあり、北朝方の寺として全盛期を迎えるが、応仁の乱(1467-1477)で一時荒廃した。しかし山名宗全により再興、明治の廃仏棄釈まで大寺の面目を保つことができた。元禄8年(1695)に再建された仏殿は今も威容を誇り、正面七間、側面五間、入母屋の大屋根に下層の屋根と、二層の屋根が木立を抜いて堂々の大寺ぶりを見せている。
【寺宝】花園天皇像(国宝)―豪信筆/古林清茂墨蹟月林道号(国宝)/石造長福寺宝塔(重文)/花園天皇宸翰御消息一幅(重文)/月林道皎禅師送行文一幅(重文)/普光大幢国師諡号勅書(重文)/長福寺縁起(重文)―真理作成/長福寺文書/その他、山岡鉄舟筆隷書額等、多数