【寺院名】長勝寺(ちょうしょうじ)

【宗派名】真言宗豊山派
【別名】三水仁王山
【住所】長野県長野市信更町3水833
【本尊】薬師如来
【開山】天正元年
【開基】同上
【由緒】長勝寺は、三水の丘上、眼下に犀川を望む景勝の地にあり、天正元年(1573)に開山された。宗派は、真言宗豊山派に属しており、開山以来今日に至るまで、人々の厚い信仰を受けている。同寺の二王門に安置されている二王は、鎌倉後期の一木彫成の二王像として特色の顕著な作品である。もっともこの二王は、元来長勝寺のものではなく、濃州から移座したという伝えもあり、土地出来のものではないかもしれないが、信州には二王の古像が少なく、南信東筑の若沢寺の二王が仏師妙海の作として、南北朝の作であることが判明している以外、管見によるとほかに古例が見当らないので、この長勝寺の二王がもっとも古いものであると言われている。二王像の構造は簡単で、一木彫成像であり、玉眼をことさらに用いず両眼を彫り出している。鎌倉後期は、一方では寄木技法が大いに進歩して細かい技法の作品も見当たるのに、他方ではこのように一木彫成像に逆戻りして、簡明な構造の作例も少なくないといった鎌倉仏師の個性的表現に対する志向が見られ、この傾向が長勝寺の二王像にあらわれているのである。
【寺宝】般若心経・弘法大師真筆