【寺院名】普門山 禅長護國禅寺(ぜんちょうごこくせんじ)

【宗派名】臨済宗妙心寺派
【別名】禅長寺
【住所】福島県いわき市小名浜大字林城字大門9
【本尊】滝見観世音菩薩
【開山】徳一大師大和尚
【中興開山】遠峰大和尚禅師
【由緒】禅長寺はいわき地方における臨済宗の名刹であり、大同2年(807)に徳一大師大和尚により開かれたと伝えられる。のちの文永年間(1264-74)、遠峰大和尚禅師が中興開山し、弘安年間(1278-87)には亀山上皇の勅願寺となり、また下った天正7年(1579)には正親町天皇の勅願所となる等、天皇、しいては国家と深い関係をもっていた。このことを証左するものとして木で造られた扁額が2面あり、両額の文字はともに、天正7年に同寺住職である育芳正頤の位牌裏から正親町天皇自身が書する宸筆であると判明している。江戸時代に入って、寺領30石を将軍家より下賜され、末寺を有し、門前には下馬の牌をかかげた格式の高い寺となり、今日まで参拝する人々が跡を断たず、寺が有する数多の寺宝は、そのもつ歴史の異彩を放っている。
【寺宝】木造観音菩薩半跏像(県重文)/扁額 2面(県重文)「普門山禅長護国禅寺」と「海会」/仏殿(市文)--各所に桃山後期から江戸初期にかけての手法が見受けられ、地方に建つ仏殿としては非常に価値ある建物である。/古文書等、その他多数を有し、鎌倉建長寺との関りも深い。