【寺院名】藤白山 地蔵峰寺(じぞうぶじ)

【宗派名】天台宗
【別名】
【住所】和歌山県海草郡下津町橘本
【本尊】地蔵石仏
【開山】本堂の創立は室町中期頃の建立
【開基】詳らかでないが心静を開基としている
【由緒】地蔵峰寺は、牟の湯に遊ぶ斉明天皇(在位655-661)に謀反の意志がないことの申しひらきをした有間皇子がこの麓で殺害されたり、天下一といわれた巨勢(こせ)の金岡(かなおか)がその慢心を戒められ筆を捨てたという筆捨松の伝説を残す、藤白坂にほど近い場所にある。開山、開基についての詳細は不明であるが、本尊である地蔵菩薩は元亨3年(1323)10月24日、時の名工薩摩権守行経によって刻まれたという。3.17メートル、和泉産の砂岩で造られ、作者、大きさから日本最高級の地蔵といわれている。沢山の天女により運び上げられたという伝承がある。また本堂は、室町初期の建立と伝えられ禅宗の影響を受けた寄棟造一重のお堂で昭和53年(1978)解体修理が完成した。同寺は真言律宗から江戸時代天台宗に改宗、当時の伽藍は本堂だけになった。現在「峠の地蔵さん」として親しまれ、多くの参拝者がある。
【寺宝】本堂(重文)古瓦/石造地蔵菩薩坐像(重文)/石造宝篋印塔(県指定建造物)/塔下王子跡(県史跡)/古文書(町文)/御所の芝 ※熊野街道の絶景、藤白峠は、往時の面影を残す優れた遺産が残されている。