【寺院名】施薬山 願興寺(がんこうじ)

【宗派名】真言宗善通寺派
【別名】
【住所】香川県大川郡長尾町造田
【本尊】薬師如来
【開山】奈良時代
【開基】天長7年(830) 徹円上人
【由緒】施薬山願興寺は奈良時代、現在地より南100mのところに創建されたもので、出土の古瓦から、立派な寺院であったと思われる。寺号の施薬山悲田院は、光明皇后が日本の医薬の乏しきを哀れんで、国民の諸病救済のため、日本各地に悲田院または施薬院を設けられた。この寺もこれに習い、施薬山悲田院願興寺の名称が残されたのである。その後、長曽我部の乱による兵火に遭い、現在の地に移転した。このような時代の流れの中には数々の盛衰があったと思われるが、真言宗善通寺派に属する名刹願興寺は、天長7年(830)、徹円上人の開基以来、本尊・薬師如来のあらたかな霊験とともに法灯は守り続けられ、人々の深い信仰心に支えられて今日に至っている。また同寺の聖観音座像は、国指定重要文化財になっており、脱乾漆造という方法で作られている。
【寺宝】本尊薬師如来/聖観音座像(国重文)−−乾漆仏。白鳳時代(670-700年頃)の作との説が有力。大和以外の地方でこのように優れた仏像が伝えられているのは珍しく、特に技術面では岐阜の美江寺の十一面観世音と2つだといわれている。