【寺院名】息長山 観音寺(かんのんじ)

【宗派名】真言宗智山派
【別名】大御堂
【住所】京都府綴喜郡田辺町普賢寺下大門13
【本尊】十一面観世音菩薩
【開山】良弁僧正
【開基】義淵僧正
【由緒】観音寺は、今より1300年前、天武天皇(在位673-686)の勅願により義淵僧正が開基し、次いで聖武天皇(在位724-749)の御願により良弁僧正が伽藍を増築した。良弁僧正の高弟・実忠和尚を第1世とする同寺は、法相三論華厳等を兼学して世の尊信を集め、息長山普賢教法寺と称して、その盛んな姿を見た人は筒城の大寺と呼んだのである。その後、同寺が藤原氏の氏寺興福寺の別院であったことから藤原氏の厚い加護を受けて寺運は大いに栄えたが、永亨9年(1437)の火災によって殆どの建造物が失われてしまった。今や往時を偲ぶものは、数々の地名に残る寺ゆかりの名、僅か数個の礎石を残す古塔の跡のみであるが、古く仁徳天皇(在位313-399)の頃に開けた土地、大らかな天平の名残りをとどめるこの地方の古刹として、小さいながら尊厳を保ち続けて今日に至っている。
【寺宝】本尊十一面観世音菩薩(国宝) 古記録によると天平16年(744)に天下泰平と国民豊楽の祈願をこめて安置され、霊像で、常に我々と共にあって、無病息災、不時の災難を逃れさせ、種々の祈願を成就せしめる。